かなり昔から乗っている自転車(マウンテンバイク)のお話です。
久々に乗ろうとしたら、ブレーキが全く効かなくなってました。
レバーを握っても感触がスカスカ。
KONAのSCRAPというモデルなのですが、こいつは前後とも油圧式のディスクブレーキを採用しています。
放置期間が長すぎた為か、結果的にマスタの蓋を開けて修理する羽目になりました。
HAYESのブレーキが日本ではマイナーなのか?
調べてもあまり良く分からなかったので、作業手順を残します。
思ってる以上に面倒でしたので、どちらかというとこうなる前にマメにオイル交換した方が良いよっていう記事になります。
バイク(KLX)と似たような感覚でやってます。
正規のやり方では無いので、不安な人はショップに依頼して下さい。
KONA SCRAP
KONAはアメリカとカナダに拠点を置く、MTBではメジャーなメーカーだと思います。
SCRAPはちょうど僕がモトクロスコース等を走っていた、オフロード全盛期の頃に購入したやつ。
もともとエクストリーム系のスポーツが好きだった事もあり、
その流れでダートジャンプ用のモデルを選びました。
フレームが頑丈でゴツい分、重たいです。
(当時はNWDのDVDとかめっちゃ観てた)
今は全く乗っておらず、淀川へのバス釣り車としてたまに乗るぐらい。
その為、サスペンションとハンドル脇には釣り竿装着用に100均の傘ホルダーが2個くっついているクソダサ仕様となってます。
HAYES Sole
このSCRAPに装備されているのが、前後油圧式のディスクブレーキ。
HAYESのSoleというモデル。
あまり知らなかったんですが、HAYESは古くはハーレーダビッドソンのブレーキにも採用されていた、歴史あるブレーキブランドらしいです。
油圧式ディスクブレーキの特徴としては、ガツンと止まりすぎず、繊細なブレーキ操作が可能である事。
ダウンヒルなどのオフロード向けのブレーキとも言えそうです。
しかし長年放置したお陰で、前後ともスカスカの握り心地、ブレーキどころではない状態でした。
このままでは文字通りスクラップになってしまう…
というわけで直していきます。
ブレーキオイル交換の手順
通常のメンテナンスであれば、この作業だけでOK。
慣れたら10分程度で終わります。
必要な材料
ヘイズ純正のブリーディングキットを一部使ってますが、純正である必要は全くない、と思います。
- 注射器
- 耐油ホース(2本)
- ブレーキフルード(DOT3または4)
- 排出用ニップル
- レンチ(6mm)
- 受け用の容器(ペットボトル等)
排出用のニップルは経年劣化しやすいので、金属製のものを選んでおいた方が良さげです。
古いホースはパッキパキに割れてました。
耐油ホースはホームセンター等で手に入ります(100円ぐらい)。
フルードはDOT3か4。
今回はホンダのやつを使います。
レンチは車種によるかもですが、ヘイズSoleの場合は6mmです。
バイク整備する人は、8mmまでしか持ってないのが普通じゃないでしょうか…。
手順
ハンドルについているレバーの六角ボルトを緩め、レバーを上に向けます。
フルード排出用の穴が上を向くようにします。
蓋のキャップを取り外し。
指でつまんで簡単に取れます。
そこに排出用のニップルをぶっ刺します。
伸ばしたホースの先にオイル受け用の容器をぶら下げます。
小さめのペットボトル等で良いと思います。
インシュロックを使ってレバーに引っ掛ければOK。
キャリパー側。
ブリードボルトのゴムキャップを取り外します。
注射器にフルードをセット。
(こんなに量は要りません)
ホースの先までフルードを出して空気を抜き、ブリードボルトにホースを装着。
6mmのレンチで少し緩めながら、注射器でフルードを注入していきます。
(純正ブリーディングキットでは容器を潰して注入するらしいが、注射器の方が圧倒的に楽)
ブリードボルトは結構なトルクで締まっているので、舐めやすいです。
メガネレンチの使用が吉です。
ハンドル側のホースから古いフルードと気泡が出てきます。
ある程度出てきたらブリードボルトを締め、ブレーキレバーを軽く何度か握ります。
そうするとまたホース上に気泡が出てきます。
注入とレバー握りを繰り返し、気泡が出なくなれば完了。
リア側も同様の手順で交換出来ます。
エア抜きが上手く行かない時は、車体ごと垂直に立てた方が良いかもしれません。
下から上に向かって新しいフルードを注入するので、そもそもエア噛みはし難い構造な気がします。
注入するフルードもなるべく泡立てないようにする事。
フロント側が上手くいかない
上記の手順で、リア側のオイル交換は難なく出来ました。
…が、フロント側で問題が。
注射器で押し込んでも、フルードが入っていきません。
ブリードボルドを目一杯緩めても駄目。
フルパワーで注射器を握り込んだら、盛大にフルードをぶちまけました。
一度はこれをやらかす人は多いと思うので、お気をつけ下さい…
塗装面を痛めるので、車体についてしまったフルードはパーツクリーナー等で拭き取った方が良いです。
ブリードボルトを緩めていたら、最終的にボルトごと取れました。
しかし一滴もオイルが出てこない…どうなっとるんや…
キャリパーの確認
とりあえずキャリパーを外してみます。
2本のボルトで止まっていますが、これも鬼トルクで締まっているので舐めないよう注意。
内側に六角の穴が開いているので、外すとブレーキパッドが外れました。
磁石がついているようで、パチっと両サイドにパッドが貼り付きます。
パッドは全く減ってませんね…
反対側も緩める事は出来るのですが、一定の場所で引っかかり、取り外し出来ませんでした。
両側についているボルトは、ディスクとパッドの間の遊びというか、センタリング調整用の構造みたいです。
ピストンを取り出す事が出来ませんでした。
コンプレッサー等がないと厳しそうですね。
キャリパー側を弄るのは諦めます…
マスタを開ける
よく見るとレバーの内側が酷く汚れていました。
ここからオイルが漏れてたっぽい…?
レバー側のリザーバータンクの蓋を開けてみます。
ここだけ特殊ネジ?になっており、トルクスのT10を使う事になりました。
ネジを外しても、簡単に蓋は取れませんでした。
適当な布+プライヤーで優しく掴み、グリグリしたら開きました。
しかし嫌な予感がします…。
ここから閲覧注意です。
き、汚ねぇー!
なんじゃこりゃ。
このへばりついた固形物は…
元々はブレーキフルードであったもの、だと思います。
蓋にもべっとり。
コレステロール値が高い人の血管もこんな感じなのかな…
などと考えながらそっと蓋を閉じました。
マスタ内の洗浄
雨が降ってきたので、車体からブレーキだけ外して家の中に持ってきました。
室内でも作業出来るお手軽さが自転車の良い所ですね。
とりあえず蓋を綺麗に洗浄しました。
蓋の内側はゴム部品なので、中性洗剤等の方が良いと思います。
問題のリザーバータンク。
ある程度綺麗になりましたが、中心に3個、1個と小さな穴が開いています。
この穴を通ってタンクスペースにフルードが溜まり、
余分なフルードは蓋の穴から排出される仕組みのようなのですが…
どうやらこの穴が固体化したフルードで完全に塞がれてしまっているようでした。
カチカチに詰まってる状態。
こんな事になるんですね…
ブレーキホースを8mmのレンチで外します。
ここも鬼トルクでした。
外しても一滴もオイルが出てきません…
レバーとピストンを外そうと思いましたが、外し方が分からず断念。
出来る限り内側をパーツクリーナーと綿棒で綺麗にしました。
ホースが刺さっていた場所にノズルを突っ込み、パーツクリーナーを噴射。
(まだピストン部にゴム部品が残っているので、あまり良くないと思います)
4つの穴を針で刺しまくります。
めちゃくちゃ地味な作業…
4つの穴からパーツクリーナーの液体が出てくるようになれば、開通した証拠。
これで上手くいくかな…
組付け、オイル注入
次の日、車体に取り付けてフルードを注入してみます。
ちゃんと入るのか、緊張の一瞬…
注射器のシリンダーがちゃんと動く…!
そして無事フルードが排出されてきました。
ブレーキフルードが充填量は、想像よりかなり少ないです。
今のところ蓋やマスタシリンダーからのオイル漏れはありません。
そしてフロントブレーキのタッチが復活しました。
良かった…
定期的なメンテナンスが大事
今回はフロントのマスタ内を洗浄しましたが、
リア側のマスタも同じぐらいフルードが固着している事が予想出来ます。
ちょっと憂鬱なのですが、近々リア側も洗浄します。
ブレーキを分解して改めて感じたのが、
油圧式のブレーキは、構造としては非常にシンプルで分かりやすく出来ているという事。
ただ、定期的なメンテナンスは必須でもあると感じました。
バイクと比べて充填されているオイルの量が少ない分、
オイルの劣化や変質するスピードも早いのでは、と予想します。
ここまで固着した自転車に乗ってる人は少ないと思いますが…。
こうなる前にブレーキオイルはマメに交換しましょう、というお話でした。
それではまた!
よろしくどうぞ。
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