【手挽きミル】TIMEMORE C3S MAX レビュー【ポーレックスと比較】

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もう少しミルにこだわってみようかな?
自分で淹れるコーヒーにはまりだすと、そんな思いが沸々と湧いてきます。

そしてある日、Amazonで「コーヒーミル」と検索すると、
TIMEMOREの製品が目に飛び込んできます。
「他の手挽きミルは2〜3000円なのに、これ1万円超えとるやんけ、高いわ」
と呟いておきながら、気がつけばポチっている自分がいます。
僕はこんな感じでTIMEMOREユーザーになりました。

今回はデザイン性と機能性で評価が高い手挽きコーヒーミル、
TIMEMOREのC3S MAXというモデルを半年程使用したレビューになります。

今まではセラミック刃であるポーレックスのミルを愛用してきましたが、
その使い心地や、ポーレックスと比べてどうか?
という点にも触れていきます。

そんな私は現在コーヒー焙煎所で働いています。
職場では業務用グラインダーを使って試飲してますが、
自宅で飲む分には手挽きミルだけで充分だと思ってます。

目次

TIMEMOREって?

TIMEMORE(タイムモア)は、2012年に設立した中国のコーヒー器具メーカーです。

出典:TIMEMORE公式


中国製と聞くと「ん?」と感じる人が居るかもしれませんが、
「プロフェッショナル+美学」をデザインコンセプトとしている、
高いデザイン性と機能性を兼ね備えたメーカーです。

格好良いデザインのものばかりで、近年日本でも非常に人気です。
アルミ削りだしのパーツと黒で統一された色味は、男心をくすぐりますね…

手動コーヒーミルの相場

手動コーヒーミルの価格はピンキリなのですが、
相場はだいたい2,000円〜3,000円程度。
それに対し、TIMEMOREの手動ミルはだいたい1万円〜3万円程度

コーヒー初心者には手を出しづらい価格に感じますが…
数あるコーヒー器具の中でも、
「ミルにはお金をかけた方が良い」
と言うバリスタの方が多かったりします。
豆の挽目や精度はそれだけコーヒーの味に直結するようです。

コマンダンテなど、更に高級なメーカーも沢山あるので、
そういった所と比べれば、
TIMEMOREはコスパに優れた製品を多く提供しているメーカー、とも言えます。
↓ちなみにコマンダンテはこれぐらいの値段します…

TIMEMOREコーヒーミルの特徴

TIMEMOREコーヒーミルの共通した特徴は以下。

  • アルミニウム合金を使用した重量感と高級感あるボディ
  • 表面はダイヤモンド・パターン加工でグリップ力が高い
  • ステンレス製の刃で均一な挽目を実現
  • 36段階以上の挽目調整が可能
  • ベアリング内蔵でスムーズな回転



手動ミルだけで数多くの種類がラインナップされています。

TIMEMOREの主な手引きミルラインナップ

  • C2/C2 Fold/C2 MAX
  • C3/C3 MAX
  • C3 PRO/C3 MAX PRO
  • C3S/C3S PRO/C3S MAX
  • NANO、NANO3
  • Slim3
  • Slim plus
  • S3/S3 ESP PRO
  • Xlite


多すぎる気がします…
Amazonで「TIMEMORE」と検索するだけで大量にヒットしてくるので、
正直どれを選んだら良いのかわけがわからなくなります
シリーズごとの大まかな特徴だけ分かっていれば選びやすいかも…

シリーズごとの大まかな特徴

  • C2 … コスパに優れたスタンダードモデル
  • C3 … C2の内蔵刃が5つから6つに改良されたモデル
  • C3S … C3の蓋や中軸の素材がアルミになった高耐久モデル
  • NANO … 持ち運びに特化した小型モデル、取手が木製
  • Slim … ボディが細身になったモデル、取手が木製
  • Xlite … より硬度の高い刃が採用された最上位モデル
  • S3 … 最新モデル。全体が金属製、90段階のクリック調整


わかりますでしょうか…
さらに、これらのシリーズごとにMAXやらPROやらPlusやら…
「iPhoneかよ」とつっこみたくなる記号がついてきます。

表記の意味

  • PRO … ハンドルが折り畳める
  • MAX … 最大容量が多い、大きめモデル(約30g)
  • Plus … 刃が新しくなり均一性アップ
  • ESP … 細かい挽目に対応したエスプレッソ用の設計

価格もそれぞれ異なりますので、
自分の用途に合わせてモデルを選ぶ事になります。

特にこだわりが無く、選ぶのがめんどくさい…
という方はスタンダードモデルのC2から使ってみるのも良いかもしれません。
(C2でも充分に性能は良さそうです。見た目も格好良い)

C3S MAXを選ぶ

前置きが長くなりましたが…
僕の場合、

  • なるべく均一に挽きたい
  • ハンドルを折りたたんで収納したい
  • 一度に30gぐらい挽く時はあるかも
  • 持ち運びは考えず自宅用

という理由から、C3S MAXを選ぶに至りました。
TIMEMORE製品の中では、おそらく中間グレードの大容量モデルとなります。

ちなみにC3S MAXは「PRO」の表記が無いのに、
ハンドルが折り畳めるモデルとなってます。
どういうことなの…?

今回は、TIMEMORE C3S MAXを使用してみたレビュー記事になります。

C3S MAXの外観

豪華な箱に入って届きます。
C3S MAXの本体重量は585gらしく、割とずっしりしてます。


持ち運び用の巾着袋と、掃除用ブラシが付属しています。


この袋やブラシの質感が良く、使うのが勿体なく感じてきます…


説明書と合格証に加えて、中国語の乾燥剤が入ってます。
一応日本語での説明書きもあります。


蓋を外した上部は、3分割された部屋になっています。
ここの中軸がアルミ製になっているのも、C3Sの特徴みたい。


底面はラバーが貼られているので、机の上に置いても安定して使えます。
置く時も静かです。


底が粉受けのスペースになっています。
MAXの場合は約30gまで。
この筒もぶ厚めのアルミ製です。


ダイヤルを回して粗さを調整します。
一段ずつカチカチと鳴る為、分かりやすいです。


上蓋はアルミ製で、取手と一体になっています。
根本のロック機構を引っ張る事で、ハンドルが折れます。


ハンドルを伸ばした時と折った時。
収納時は折った方が安定して置けます。


ハンドルを伸ばす時は、根本の部品に指を挟まないよう注意が必要ですね。
内側からバネのテンションがかかっているようなので、指の肉を挟むと痛いです。

ポーレックスとの比較

そもそもの用途が違うのですが…
長年愛用しているポーレックスミル ミニと比較してみます。
国内メーカーが製造するセラミック刃の手挽きミルですね。
Amazonでも類似品が安く沢山出回っています。
(ちなみに現行モデルはミル2 ミニです)

外観や重量の違い

両者の重量はかなり違います。

  • ミル ミニの本体重量 … 235g
  • C3S MAXの本体重量 … 585g

倍以上の差があります。
並べてみると、大きさもかなり違います…

ミル ミニは、キャンプ等でも気軽に持っていけるサイズになります。
C3S MAXは、持ち運ぶとなると結構気合が要ります

刃の違い

ミル ミニの刃はセラミック、C3S MAXの刃は金属製(ステンレス S2C 660)となっています。


指で触ってみた感じは、C3S MAXの方が刃先が鋭く、重量があります

ネジを一つ外せばアクセス出来るので、どちらもメンテナンス性は良いです。
…が、水洗いが出来るセラミック刃に対して、C3S MAXの金属刃は水洗いが推奨されていません
付属のブラシを使って粉を払う程度になります。
油分の付着が嫌な人には気になる所かもしれません。

回し心地の違い

両者で中煎りのキリマンジャロを挽いてみます。

ミル ミニは長年使い過ぎで、上部の6角金具が潰れ気味…
ハンドルを回しているうちに根本からスポーンと抜ける事が多いです。
回し心地はガリガリ・ポリポリ〜といった「豆を砕いてます」っていう感覚
この感覚に慣れてて、これが普通なんですが…


C3S MAXはジャリジャリ〜というか、シャリ感が強い回し心地。
もっと言うと、サクサク・シュイーンって感じ。
こちらは豆を砕くというより、切り刻んでる感覚が強いですね。


同じ量の豆を挽いてみた感じ、C3S MAXの方が楽に挽く事が出来ました
ベアリング内蔵の為、ハンドルの回転がスムーズです。
持ち手が大きい分握りやすく、表面加工のお陰で滑りにくいです。
そして本体の重量が重い分、安定して回せます。

もっと浅煎りの固い豆を挽いた時は、この差が顕著に出てくる気がします。

粒の違い

なるべく挽目を合わせ、試しに5gほど試し挽き。
C3S MAX側は、中細の13クリックにしてみました。
ミル ミニはフィーリングで合わせます…


こちらがミル ミニで挽いた粉。
粒度にムラがある、というよりは粒の形がバラバラ
引きちぎられたような感じ。
指で触るとよくわかります。


C3S MAXで挽いた粉。
近くで見ると、粒の大きさが揃っている気がします。
一粒一粒、角が立っているというか…そんな粉。

写真では違いが分かりづらいかもしれませんが、
肉眼での確認や指で触ってみると、明らかな違いを感じました。

飲み比べた結果

この粒の差は、味にも違いが出るのか?
というわけでなるべく条件を揃えられるよう、
同じ豆、粉量、湯量、温度、容器で淹れて飲み比べてみます。

粒の大きさを揃えたつもりだったのですが、
C3S MAXの方が湯通りが良く、早めに落ちてしまいました。


飲み比べると結構違いが分かります。
ミル ミニで挽いた粉は、どちらかというとマイルド、悪く言うと味がボヤけている印象。
C3S MAXで挽いた粉は、もう少しクリアな味わいになりました。
酸味や苦味の輪郭がはっきりするというか…
これが豆本来の味なんでしょうか…




…でも、ぶっちゃけどちらのコーヒーが美味しいか?と聞かれると…
好みの差じゃないの?とも思います。

どっちも美味いというのが結論

繊細な舌をお持ちの方は気づくのかもしれませんが、
僕は並べて飲み比べてみないと、その差に気付けないレベルでした。
それぐらいの僅かな差です。
セラミック刃が不味くて金属刃が美味しい、といった事はないと思います。

両者の違いまとめ

C3S MAXとミル ミニ、両者の違いをまとめるとこんな感じ。

比較項目TIMEMORE C3S MAXポーレックス ミル ミニ
本体重量585g
(持ち運びには適さない)
235g
(キャンプにも持って行きやすい)
一度に挽ける量約30g
(3杯分ぐらいまで)
約20g
(2杯分ぐらいまで)
刃のメンテナンス性水洗い不可水洗い可能
回し心地滑らかで回しやすく軽快引っかかりを感じる事が多い
挽目の美しさ角が立った均一な粉粒度のムラは気になる
味の違い味の輪郭がはっきりする
(※美味い)
マイルドな味わい
(※美味い)

回し心地の良さと重厚感ならC3S MAX、
どこでも気軽に持っていけるのがミル ミニ。
出来上がりの味は…
違いはあるものの、どちらも美味しいです。

というわけで僕は自宅での普段使いにはC3S MAXを使い、
キャンプにはミル ミニを持っていく、という感じで使い分ける事にしました。

挽きやすさ3割、所有欲7割

それなりにお値段はかかりますが、
TIMEMOREのコーヒーミルはボディ全体が金属で、
マッドな質感と重量感が所有欲を満たしてくれます。
回し心地も気持ち良い。

これだけで買って良かったな、と思えてきます。
僕はほぼ毎日コーヒーを飲んでますが、
格好良い道具に毎日触れることで、日々のコーヒータイムが少し幸せになりました。

完全に余談なのですが…
釣具で例えると高級リールを使う感覚に似てると感じました。
ボディの金属感や僅かな飛距離の差、巻き心地を求めてアンタレスやスティーズが欲しくなるやつ。
結果的に釣れる魚はあまり変わらない気がするのですが、欲しくなっちゃうんですよね…

初心者におすすめのミル

TIMEMOREのC3S MAXは非常に良いコーヒーミルですが、
初心者が手を出すには少しハードルが高いかもしれません。
というわけで最後にコーヒー初心者におすすめのミルも紹介します。


とりあえず自宅で豆を挽いて飲んでみたい、
という方にはハリオのセラミックスリムをおすすめします。
2000円程度の価格で扱いやすく、豆を挽く楽しさも手軽に体験出来ます。
(僕はここから始めました。ぶっちゃけこれだけでも全然良い)


さらに、手で挽くのが面倒という方には、
デリモの臼式電動ミルがおすすめ。
少し時間がかかりますが、手頃な価格でお手軽に挽けます。
出来ればプロペラ式よりも臼式が良いです。
(実家のミルはこれ使ってます)


そもそもの話、
いちいち豆を挽いてる暇が無い、めんどくさい
コーヒーは最初から粉で買ってるから、ミルはいらない
という方もいるかもしれませんが…
どんなミルでも良いので、最低限コーヒーは豆で購入して自分で挽く事をおすすめします。

焙煎所で働いていると、最初から粉に挽いた状態で購入するお客さんも多く見かけます。
購入後すぐに使い切ってしまうのならまだ良い…のですが、
粉の状態で何日も保管すると、味の劣化スピードが段違いに早くなります
酸化したコーヒーは美味しくありません。
(これは明らかに違いが分かります)

自宅でできるだけ美味しくコーヒーを楽しみたいのであれば、
自分で挽いた、挽きたての粉を使用してみてください。

ある程度こだわりが出来てきたら、TIMEMORE製品も検討してみはどうでしょう。
よろしくどうぞ。

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